不動産担保ローンは、まとまった金額を低金利で長期の借り入れをすることができ、資金使途が自由である特徴があります。一方、万一返済ができなくなった場合には、住宅ローン同様、担保としている不動産を売却して返済しなければならないリスクもあります。
今回は、不動産担保ローンのメリットとデメリットを踏まえ、活用事例などのご紹介をします。
不動産担保ローンとは
不動産担保ローンとは、その名の通り不動産を担保に借り入れできる有担保ローンのことです。戸建やマンションなどの居住用不動産はもちろん、更地や駐車場などの土地、ビルやアパートなどの収益物件を含めた幅広い不動産を担保にすることができます。
不動産を担保にする事で貸し手側のリスクが低くなるため、カードローンやビジネスローンのような無担保ローンよりも低金利で高額な資金を借りられ、返済期間も長期に出来る事が特徴です。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンのメリットをご紹介します。
不動産を売却せずに資金調達が可能
不動産担保ローンのメリットとして、保有している不動産を売却しなくとも現金化できるという点があります。
不動産を売却し、現金に変えるというのはかなりの時間や手間がかかりますが、不動産担保ローンであれば比較的早く、かつ必要な分だけ現金化することが可能です。
低金利
不動産を担保にする事により金融機関の貸し倒れリスクが下がるため、無担保ローンと比べると低金利で資金調達しやすくなります。審査が厳しめに設定されている銀行の不動産担保ローンの場合は概ね1％～9％となっており、審査が比較的緩いノンバンク系の不動産担保ローンの場合には概ね2～15％となっています。
借入限度額が高くなる
不動産担保ローンでは、担保となる不動産の資産価値が考慮されるため、借入限度額が高くなります。不動産の評価額によっては十億円以上の資金調達も可能です。
返済期間を長期にできる
不動産担保ローンは、資金使途にかかわらず返済期間を20年～30年程の長期に設定することが可能です。返済期間が長ければ、毎月の返済金額を低くすることができるため、余裕を持った返済計画を作ることができます。ただし、期間の長さに比例して返済総額は増えるので注意しましょう。
資金使途が自由
ローン商品によっては資金使途が限定されているものがありますが、不動産担保ローンは基本的に資金使途に制限がありません。事業性資金や納税資金、リフォーム資金、開業資金など幅広いニーズに対応することができます。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンのデメリットも解説していきます。
返済不能になると不動産が売却される
不動産担保ローンは不動産を担保に借入を行っている為、もし利用者が返済不能となった場合は不動産を売却して返済しなくてはなりません。
金融機関は担保とする不動産に対して、法務局に「抵当権」や「根抵当権」の登記を行います。抵当権、根抵当権とは、融資先の人が返済不能になった際に、融資した側が担保にした不動産を売却し、その売却代金から貸したお金と利息を回収する権利のことです。これにより返済ができなくなった場合は不動産を売却し、売却代金から元金と利息を回収できるよう保全が図られています。
このような事態を招かないためにも、返済計画をしっかり立てることが重要です。
融資までに一定の時間がかかる
不動産担保ローンでは、利用者情報だけではなく担保となる不動産の調査も行います。そのため、多くの場合審査に1～2週間程度の時間がかかります。
費用がかかる
無担保ローンの利用時は通常利息のみ発生し、手数料は発生しません。
しかし、不動産担保ローンは「事務手数料」「不動産鑑定費用」「印紙代」「抵当権、根抵当権の登記費用」といった費用が別途発生します。
金融機関によっては、「不動産の調査・鑑定費用」もかかり、借入金が少額の場合、カードローン等と支払総額はそこまで変わらないといった事も考えられます。
不動産担保ローンのまとめ
不動産担保ローンは保有している不動産を売却せずに、大きな資金を低金利、長い返済期間で調達することが可能です。その反面、融資までに時間と費用がかかり、もし返済不能となったときには不動産を失うという可能性もあります。
不動産を保有しており、かつ売却せずに大きな資金を調達したいという人にはぴったりの融資と言えるでしょう。リスクをよく理解し、計画的にご利用ください。
貴方の資金調達の参考になりましたら幸いです。
