不動産取得税・住宅用家屋の軽減/特例について計算を分かり易く解説!

不動産取得税でも、住宅用の家屋を取得した場合について減額の特例があります。

特に新築の場合は共同住宅についても認められていますから、不動産投資、または相続対策でアパートやマンションを建築される方は必ず知っておいていただきたいところです。

今回こちらの記事では不動産取得税・住宅用家屋の軽減/特例について、計算などを分かり易く解説します!

目次

新築住宅についての軽減措置

住宅を新築した場合や、建売住宅等の新築住宅で誰も一度も使用したことのない住宅を購入して取得した場合は、その住宅が下の条件を備えた住宅であれば、固定資産税評価額から1,200万円が控除されます。尚、下の条件を備える住宅を「特例適用住宅」と言います。

【条件】

1戸の課税床面積が戸建住宅の場合は50㎡以上240㎡以下、戸建以外の貸家住宅は1戸当たり40㎡以上240㎡以下

新築の特例適用住宅に該当する場合、戸建住宅の場合は1戸について、マンションやアパート等の共同住宅については1区画(1専有部分)について、控除が受けられます。

床面積の判定は附属家屋(登記簿謄本に「附属建物」等として登記されるもの)を含んだ面積になり、マンション、アパート、寄宿舎等の共同住宅では独立的・排他的に使用される各区画の面積(法律に沿って難しく言いましたが、要は専有部分のことです)に、共同の用に供される部分の面積を各区画の面積比によって按分して加算した面積によって判定します。

簡単な例で言うと、50㎡の専有部分が2つ、廊下が10㎡の場合、1区画当たりの専有面積比は50㎡/(50㎡+50㎡)=1/2ですから、廊下の10㎡にこれをかけて、10㎡×1/2+50㎡=55㎡として特例適用住宅に当たるかどうか判定しますよということです。

以前も別稿でお話ししましたが、分譲マンション等の区分所有建物は登記簿に記載される面積は「内法面積」、分譲パンフレットに書かれている面積は「壁芯面積」であることが多いのが慣例です。

そのため、廊下等の共用部分の面積を上のように按分しても、特例適用住宅の面積要件に届かないということもありますので、注意してください。

例えば2,000万円の特例適用住宅を新築で取得した場合、不動産取得税の税率は3%ですから、

控除を適用しなかった場合

2,000万円×3%=600,000円

控除を適用した場合

(2,000万円-控除額1,200万円)×3%=240,000円

以上のように、36万円の差が出てきます。

更に、取得した住宅が認定長期優良住宅に該当する場合は、2020年3月31日までに限り控除額が1,200万円から1,300万円に拡大されます。

この制度は期限を切られていますが、2014年3月31日までの間にも同じ控除額が出されていました。延長されるかは確実ではありませんが。

また、この特例は自分が住むための住宅だけではなく、セカンドハウスや賃貸用マンション等にも適用されます。

不動産投資家が賃貸用共同住宅を新築で建てる場合は多くの場合で地主さんが相続対策で建てるケースかと思いますが、賃貸用共同住宅の場合、不動産取得税は持ち主である地主さんが払うことになります。

地主さんが相続対策で建てる場合、ほとんどは都心部ではなく比較的郊外の広い土地に建物を建築することになると思いますから、ファミリー層向けが多い傾向がありますが、40㎡以上のファミリー向け共同住宅を新築する場合にもこの制度は利用できます。それも一区画当たりですから一棟全体では大きな額になってきます。

尚、新築では取得する人が個人であっても法人であっても適用を受けられますが、贈与・交換で取得する場合は適用を受けられません。

一部の既存住宅についても控除がある

上の新築住宅のように固定資産税評価額から一定額を控除する制度は、中古住宅についても一定の場合は控除があります。
控除が適用される要件は以下のとおりです。

①1982年1月1日以降に建築されたものであること
この判定は「固定資産税課税台帳に記載された新築日」になります。

②1982年1月1日以前に新築されたものであっても、新耐震基準に適合していることについて証明がなされたものや、既存住宅売買瑕疵保険という保険に加入している一定の者であること

証明方法は建築士(登録事務所に所属している建築士に限ります)に耐震診断を依頼して「耐震基準適合証明書」を発行してもらいます。

③新耐震基準に適合しない住宅で、入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施する予定のものであること

④買主の居住用またはセカンドハウス用としての取得に限り、賃貸用共同住宅は適用なし。

分譲マンションで買主の居住用であるものは適用されます。セカンドハウスとは、「別荘以外の家屋で」、「週末に居住するため郊外等に取得するもの、遠距離通勤者が平日に居住するために職場の近くに取得するもの」、「毎月1日以上居住の用に供するもの」の条件をすべて満たすものを言いますから、別荘は含まれません。

この中古住宅等の課税標準の控除が認められる場合の控除額は、都道府県によって違いがありますので、購入を検討されている不動産が所在する各都道府県の税事務所に確認するようにしてください。

東京都の場合を例に挙げると以下のとおりとなっています。

以上のように、東京都の場合は1997年4月1日以降の建築であれば、新築の時と同じ控除が受けられるようになっています。

尚、新築時と違って既存住宅の場合この控除を受けられるのは取得者が個人である場合のみです。

法人は適用を受けられません。そのかわり、購入のほか、贈与・交換で取得した場合も適用を受けられるようになっています。

共有の場合はどうなる?

建物について、不動産登記上は2人以上の持ち物ですと登記する共有登記が認められています。

例えば、新築戸建住宅であればマイホームの登記として夫・妻2人の共同の持ち物として、それぞれ持分1/2ずつとして登記することもあるでしょう。

この特例が認められるための条件は、「戸建住宅の場合は50㎡以上240㎡以下」です。

仮に400㎡の新築住宅(かなり大きいですが…)を夫と妻の共有持分1/2ずつとすると、1人当たりの持分は200㎡と考えられますから、面積の条件を満たして特例が受けられるとも考えられます。

しかし、この特例はあくまで「一戸あたり」で判定しますから、このような一戸400㎡の建物は控除を受けられません。

同じように、60㎡の建物を1/2ずつ2人で共有登記した場合も同様です。

まとめ

不動産取得税の課税標準控除の特例についてお話ししました。

マイホームを買われる方、及び相続対策や不動産投資目的で新築共同住宅を建てられる方には特に知っておいていただきたい事項です。

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この記事を書いた人

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