基本的な相続税の節税

相続は人が死なないと発生しないため、プロの税理士でも相続税対策に明るくないケースが多く、基本的な節税対策さえあまり知られていません。ここでは基本的な相続税対策を紹介します。

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非課税資産、非課税枠のある資産を生前取得

相続税の非課税資産は生前に取得しておけば、相続後に相続人が取得するより、相続税課税前の資産から取得できるので節税になる。墓所や霊廟、祭具等は非課税資産とされています。これらの非課税資産は支払いまでを被相続人の生前に済ませておく必要です。ただし、骨とう品としての価値があるような仏具は課税されるので要注意です。

生命保険金は相続人一人当たり500万円まで、非課税枠があるので、これ以上の保険金が支払われるような生命保険を掛ければ節税になります。ただし、相続税の対象となるには、被相続人が保険料を負担している必要があります。

保険料の負担は契約内容で判断されますので、契約には要注意です。たとえば、保険料を妻が負担していて夫が死んだときに子供が保険金を受け取るような契約では、妻から子に資金が贈与されたことになり、贈与税がかかることになりますので、このようなケースにならないよう、注意しましょう。

同様の非課税枠が、死亡退職金、弔慰金にもやはり相続人一人当たり500万円あります。被相続人がオーナー会社の役員などであれば、死亡退職金、弔慰金を支給すべきです。会社の節税にもなります。

ただし、弔慰金の支払いにはそれ以外にも非課税基準があり、業務上の死亡では役員報酬月額の3年分、業務外の死亡では同6か月分までとされています。

相続税の控除枠を利用

平成27年から、相続税の基礎控除が引き下げられ、法定相続人一人当たり3000万円+600万円が基礎控除額となりました。この控除枠をうまく利用するのは、相続税節税の基本です。控除枠の利用には、養子を作るという方法があります。養子は実子がいる場合には一人、いない場合には二人、法定相続人に入れることが可能です。

養子に実際どれぐらいの財産を相続させるかは別として、一人当たり3600万円の控除が増えるのですから、有効な節税対策と言えます。また、相続税の課税計算は原則法定相続分で行われますが、配偶者の税額軽減は、申告期限までの遺産分割が条件になっています。配偶者の税額軽減は、法定相続分か1億6000万のいずれか多い方まで控除枠が利用できます。

遺産総額が1億6000万以下の場合には、この配偶者の軽減枠を最大限利用し、配偶者に全額相続させるのが節税面では有効です。

まとめ

相続税の節税には、税制の基本的な仕組みとして、墓石、祭具などの非課税資産、保険金、退職金の非課税枠、基礎控除、配偶者控除制度があります。

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