不動産投資、特に一棟ものの投資をする場合、物件購入費用として数千万円~数億円程度の金額が必要になり、融資を受ける額も大きくなります。
融資額が大きくなると金利部分の金額も大きくなりますから、一見早く返済をするために融資借入期間は短くする方が良いとも思えます。しかし、果たして本当にそうでしょうか。
本記事では不動産投資で融資を受ける際に絶対に注意すべきポイントについて解説していきます。
不動産投資で融資を受ける際に気をつけるべき3つのポイントとは?
不動産投資においては資金繰りがショートして倒産してしまうことは絶対に避けなければならないことです。
資金繰りがショートしないように、融資を受ける際は借入期間、金利、借入割合を考えなければいけません。
最初に結論を言ってしまいますが、融資を受ける際の基本的な考え方は、
- 借入期間は長く
- 金利は低く
- 借入割合を多くして自己資金を温存する
に尽きます。それでは、借入期間、金利、借入割合の三要素を詳しく見ていきます。
ポイント1『借入期間を考える』
借入期間は安定したキャッシュフローを得るためにできるだけ長く設定するのが基本となります。
借入期間が短くなれば当然借入金を早く返済できますが、毎年・毎月のローン返済額も大きくなり不動産投資から黒字を得ることが難しくなります。万一大きな空室が発生してしまい、家賃収入<ローン返済額の状態になってしまえば目も当てられません。
不動産投資において優先的に考えることは「家賃収入-減価償却費を除く運営費用-ローン返済額」で得られるキャッシュフローをプラスに保ち続けることですから、借入期間はできるだけ長期にしておく方が良いでしょう。
もちろん借入期間を長期にするとそれだけ金利が高く設定されるといういわばトレード・オフ(あちらを立てればこちらが立たない状態)の関係がありますが、計算上多少の金利アップには目をつぶっても借入期間を延ばすという考え方が適切なケースもあります。
物件の利回りや残りの耐用年数にもよりますが、多くの個人投資家が融資を受ける際、借入期間は15年以上、可能であれば20年以上を目標にするようです。
ポイント2『金利を考える』
金利はもちろん低ければ低い方が良いことは明らかでしょう。
金利は不動産投資における資金調達コスト、つまり原価を構成する部分ですから、コストが下がれば下がるほど利益が大きくなります。
しかし、借入期間のところでもお話ししましたが、借入期間を長期にすればするほど金利は上げられやすいという側面を有しています。
貸し手である金融機関の側からすると、借入期間を長期に設定すればそれだけローンの返済が長期になるという貸付リスクを背負うことになります。その部分のリスクが金利に乗せられて金利が高くなるというわけです。
しかし、ポイント1でも解説した通り、多少金利が高くなることには目をつぶっても借入期間を長期に設定しておく方がメリットはあるものと考えられます。
例え金利が3%から4%に1%引き上げられたとしても、借入期間を長期に設定することによる毎期の返済金額減少のメリットの方が、キャッシュフローの面から見て大きいからです。
ポイント3『借入割合を考える』
借入割合は、借入金額と言い換えても良いでしょう。物件購入金額の内どの程度の割合を融資で賄うかということです。
これはキャッシュフローの問題と手元資金の確保のバランスを取って考えることになります。
借入割合を下げて物件購入金額の内自己資金で賄う割合を高くすれば、それだけ金利負担が低くなるわけですからキャッシュフローのプラスは大きくなります。
しかし、自己資金をできる限り手元に残したままで利益を生むことができることが不動産投資のメリットですから、自己資金をあまりにも多く入れてしまうとこのメリットを十分享受できなくなります。
また、自己資金はいざというときの備えや他の資産運用に使うこともできる資金です。例えば不動産投資には金融機関は融資をしてくれますが(=自己資金を使わなくても投資を実行できます)、株式での運用等には基本的に金融機関は融資をしてくれません。
それに、自己資金割合を多くしなければプラスのキャッシュフローを生まないような物件はその時点で収益性に問題があるとも言えます。
自己資金をできる限り使わないことによって資産拡大がスムーズになるというレバレッジ効果をどう有利に得るかということが不動産投資の考え方の基本です。
そのため、基本的には借入割合をできるだけ高くして自己資金にはできるだけ手を付けないという考え方が基本になります。
まとめ
- 融資においては、借入期間・金利・借入割合の3つの要素が重要
- 借入期間はできるだけ長く取ることが基本
- 金利は低い方が良いが、多少高くなっても借入期間を長期にする方がメリットがある
- 借入割合はできるだけ多くして自己資金をできる限り使わないのがポイント
- いずれも、物件のキャッシュフローがプラスになるように考えること
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