最近では、ふるさと納税に関する本が出版されたり、個性的なお礼の品を送っている自治体が注目されたりしています。実際にふるさと納税をした人や、検討している人も多いのではないでしょうか。
しかし、あなたが行った「ふるさと納税」、“なぜ”お得なのか本当に理解していますか?
実はふるさと納税は税金自体は張りません。けれどもお得なのはその返礼品なのです。ですので、その返礼品を考慮にいれると実質的な節税となるのです!
ふるさと納税とは、端的には、本来居住地の自治体(A市)であるに納めるべき税金10を他の自治体(B市)に納付することです。従って納税者の税金の負担はどこの自治体に納付しても10となるため納税額自体は減りません。実際には、最初の2千円は切り捨てられるので厳密には税金的には2千円の損となります。
ではなぜふるさと納税がこれほど普及しているのでしょうか。
その理由は、上記の自治体B市かもらえる返礼品(お礼の品)にあります。
つまり納税者は本来A市に納める税金をB市に納めることでB市から返礼品を受領できます。この返礼品の還元率(ここでは納税額に対する返礼品の価値を言います)が平均しておおむね30%前後と言われています。そのため、ふるさと納税を行うことで、実質的な負担はないにもかかわらず様々な商品を手に入れることができるのです(前述の通り、実際には2千円だけは損してしまうのですが、1万延程度寄付ができればその後はプラスになるかと思われます。)。
つまりふるさと納税は、ある意味30%程度の利回りが保証された投資商品とも言えるのです。
ちなみに過去の還元率はもっと高く、さらに金券類等もあり非常に充実していたのですが、激化しているふるさと納税の返礼品競争をめぐり、総務省は全国の自治体に対し、2017年4月1日付で返礼品額の比率を寄付額の3割までとするなどの要請を行いました。これにより還元率が高い返礼品は見直しがかかり、基本的には還元率は3割までに抑えられる動きとなっています。
ただし、3割以下になったとしても、この低金利の時代にこれだけの利回りが得られるのですからふるさと納税が引き続きお得なことにかわりはありません。
しかしその有利なはずのふるさと納税も個人ごとにその所得に応じて限度額が設定されており、その限度額の計算を間違うと損をしてしまいます。
従って、ふるさと納税を行う場合は、上記のようになぜ得になるかととともに、いくらまでふるさと納税が可能かということを理解することが非常に重要となります。
以下ではふるさと納税の限度額の計算を簡単に説明します。
とは言っても具体的な計算はやや複雑なのでここではイメージをつかんでください。
以下は総務省のWEBSITEから拝借した図です。この図の通り、ふるさと納税をした金額はそれぞれ所得税と住民税から控除されるのですがそれぞれ控除限度額が存在します。
この控除限度額を超えてふるさと納税を行ってしまうと、返礼品はもらえるのですが、実質的には損をしてしまいます。
この控除限度額は所得と連動しており、所得の大きな人ほどふるさと納税の限度額も大きくなります。ちなみに所得税は所得の大きな人ほど税率が高くなる、つまり所得の高いひとほど負担が大きくなる仕組みとなっています。これに対して、ふるさと納税は所得が大きな人ほど得をする仕組みとなっています。
ちなみに以下は総務省のWEBSITEですが、収入金額や家族構成に応じた概算の限度額が表となっていますのでご参考ください。
ふるさと納税の他のメリット
繰り返しですが、ふるさと納税の最大のメリットはその返礼品です。しかしそれ以外にもふるさと納税のメリットはありますので主なものを以下に記載しておきます。
- クレジットカード払いできる自治体がありクレジットカードのポイントが貯まる
- 自分の地元や災害の被災地などに貢献できる
- おおまかな使い道を指定できる(税金は基本的に使い道を指定できない)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後にふるさとの納税のポイントは
- 税金自体は減らないが返戻品で実質的に節税となる
- 限度額はしっかり把握すること
です。
ちなみに近年ふるさと納税の導入により、例えば東京都など税収が減っている自治体の反対もあり以前よりもふるさと納税のメリットは少なくなってきている傾向にありますので、みなさまもふるさと納税をする場合はできるだけ早めの検討をした方がよいかと思います。
みなさんも上記をしっかり理解してよい返礼品をたくさんもらってくださいね。