クラウド資金調達編集部です。
今回は無人島仲介の第一人者であるアクアスタイルズ/佐藤政信代表にお話を伺います。
無人島の魅力や無人島の活用方法、なぜ相続税対策となるのか等を解説して頂きました。
是非参考にして頂けますと幸いです。
1967年生まれ。20代後半米国カリフォルニアのカレッジを卒業後、帰国。元来のリゾート好きが講じ日本で唯一の無人島販売会社を一人で立ち上げ、島の売買はもちろん、海外の珍しい不動産を中心に様々なプロジェクトに参加。現在アメリカ、パラオ、オーストラリア、ニュージーランドにてビジネスを構築中。
初めは「リゾートにかかわりたい」という思いから
- 珍しいお仕事だと思いますが、無人島売買に携わるきっかけを教えてください。
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僕はもともとリゾートが好きなんですよ。海が好きで、ハワイとかタヒチとか結構行くのですが、それでずっとリゾートにかかわる仕事をしたいなと思ってたんです。
アメリカに留学している時に、『ピープルマガジン』という雑誌に「島を売る人」っていう記事が載ってたんですね。それが無人島販売事業を行っているVLADI PRIVATE ISLAND社を知った最初です。
それですぐにコンタクトを取りました。最初は無視されたので返信がくるまでずっとメールを送り続けて(笑)
そしたらメールの返信がきたのですが、やっともらえた返信の内容は、「やめたほうがいい。無人島は儲からない。日本で安定した仕事をしなさい」でした。
ーーそれでも諦められなかったのでしょうか?
はい、諦めきれず、VLADI PRIVATE ISLAND社の社長さんに会いにドイツのハンブルグへ弾丸で飛びました。アポなしで。そしたら今度は社長がいなかったんです。ただ副社長はあってくれたのですが、その副社長からは「社長に直接会って、コントラクト(契約書)を交わした方がいいね」とのアドバイスをもらっただけでした。
それで肩を落として帰国しました。
――会いに行ったのに社長と会えなかったのですね。
ただ続きがあって、その1カ月後に今度は「費用全部出してあげるからカナダに来ないか?」と連絡がきました。
カナダにもVLADI PRIVATE ISLAND社の支店があったんです。それで行ったのですが、その時に、たまたまお客さんが来ていて、無人島の案内に同席したんです。そうしたら契約がまとまったんですよ。
そうしたら社長に「君は幸運を持ってきてくれたようだね。代理店をやってみるか?」と言って頂いて(笑)
それで契約を交わしました。そこから島の販売業務をやっています。もう25年ぐらい前の話です。
無人島の魅力は“自由”に尽きる
- 様々なお客様を見られてきたと思いますが、どのような方が無人島を購入されますか?
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無人島マーケットの歴史的には欧米の方が進んでいます。特に欧州。
欧州では侵略の歴史があり、国境も隣国と接しているため「いつ何が起こるかわからない」という感覚を持っている人が多いんです。パスポートを2-3つ保有してどこでも住めるように選択肢を持っている富裕層がたくさんいます。
このような感覚を持っているため、無人島は「自分の国」という認識で、何かあった時のために持っておくという感覚で保有している人も多いですね。
- 日本の購入者の特徴も教えていただけますか。
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無人島は現金買いが基本なため、富裕層である点は前提条件です。
その上で、船舶を保有している人が非常に多い。
船を保有している人は、船の向かい先が意外とあまりないんです。海をただクルージングしたりもしますが、そのままどこかに遊びに行きたいというニーズがあるため、無人島を保有し行き来して楽しむ人が多いです。
また船を保有している人は、ハワイの別荘とか車のコレクションとかも有しており、それらでは飽き足らず、無人島を保有して、更にインフラを整えログハウスまで建ててしまい、楽しんでいます。
人生を楽しむ為の所有物の1つという感じで保有していますね。それでいて相続税対策にもなりますしね。
- 無人島を保有する魅力はどのような点ですか
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保有する魅力は「自由」に尽きます。
法律に触れることはダメですが、合法であれば何をしても良いですからね。誰にも侵入されず人と隔離されているので静寂を楽しむこともできるし、爆音を出しても良い。何なら裸で過ごしても良い。
山の保有だと近隣から侵入されたりしますが、無人島はそういった事を気にせず非常に穏やかでかつ、開放的に過ごせます。
いわゆる「自分の王国」を持つという所有欲を満たしながら自然と調和した自由なライフスタイルを楽しむことができるのが無人島を保有する魅力ですね。
無人島の購入は現金のみ。売買が成り立つ無人島は希少で価格は“売主の言い値“
- では無人島を購入することを考えた時のマーケットの特徴を教えていただけますか。
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まず日本での無人島は約6,800島存在します。ただ不動産としての無人島と考えると実際弊社が紹介できる物件は100~200島程度。なので非常に希少です。
弊社は無人島売買に20年以上携わり数多くの事例を見てきましたが、無人島として紹介できる重要な点は3点で
- 立地が陸地から船で30分以内
- 崖地ではなく人が生活できる平坦な土地を有する
- 所有権の保有者が1名(最大でも2-3名)であること
が大事です。
①については無人島ではインフラ整備、ログハウスの建設など物資の輸送が必要になります。また安全面の観点で非常時のことも考え、携帯電話が使えることも重要です。なので立地は非常に大事なんです。
②については、島にログハウスを建てるためには平坦な土地が必要なんですが、多くの日本の無人島は崖地で上陸が困難だったり、岩だらけで平地がなくログハウスを建てれなかったりします。これらの無人島は保有にはあまり向いていないです。
最後の③も非常に大事で、言い換えると「現在の無人島の所有者が明確」であるということです。
例えば30名程で保有している無人島は、相続等を繰り返し実際の保有者がだれかわからず、合意形成が取れないので不動産売買として成り立たない場合が多いです。
無人島所有者が明確で、かつ意見がまとまる少人数の無人島しか売買には向いていないですね。無人島はあくまで不動産売買となるので所有者の特定が必要なので。
これら3つの条件を満たす無人島となると本当に数が少なく、日本には100~200程度しかないんです。なので「流通する無人島はかなり希少」ということになります。
- 無人島価格の決まり方とどのようなものがよく売れるか教えてください
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数が希少であり、似た島もあまりないため、価格は「売主の言い値」が基本です。ただし、 買主は現金買いが基本となるため、売りやすい値段というのは存在します。売主の意向、と買主の購買力、これらが合うところで取引成立のイメージですね。
まぁ5,000万円以下の無人島なら売りやすいという感覚ですね。
- 保有して将来売却するとき価格は下がらないのですか?
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希少性があり、無人島を欲しがる富裕層は存在するので待っていればいつかは売却できます。
ただデメリットは流動性。流動性は非常に低く、売却まで2年程度要することもあります。
ただ億を超える無人島もある。これはたまに売れるかな(笑)
保有しての楽しみ方は千差万別!
- 無人島を保有して楽しまれている方の事例を教えていただけますか。
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楽しみ方は千差万別ですね。2つ事例挙げさせてもらいます。
1つは相続税対策で購入されたお客様の例です。60歳くらいの男性で、まだ5歳の子供がいた方。相続税対策は考えていたが、子供と一緒に人生を楽しみたいという理由で無人島を購入されました。
無人島を購入後、船舶免許を取得。その後船を保有して、家族で頻繁に無人島に通い、数年かけてインフラ設備を整えて、ログハウスまで建ててしまった。家族皆のライフスタイルとして無人島が大きな部分を占める形で人生を謳歌されています。
もう1つは学校法人様の例。この事例では教育事業を営まれている法人様が教育/研修の場として購入されました。
子供の学ぶ場として無人島を活用している事例で、キャンプ場を作り子供や両親とキャンプをしたりしています。
社会にとって非常に有意義な活用法であり、弊社としても携わった案件として感動した事例です。子供の生活力を養う場としての無人島を位置づけるのはやはり嬉しいですね。
このような事例は増えており、法人様の社員教育として、無人島での2泊3日研修を導入されている企業様もいらっしゃいます。
相続税対策として、無人島保有は魅力的!ただし保有して楽しむことも重要!
- 相続税対策としての無人島保有は有益との事ですが、この点を解説いただけますでしょうか。
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無人島は利便性も悪く、不動産としての価値評価が困難で、固定資産税評価が非常に低いです。評価額が数10万円のものも多い。
一方、市場価格は、希少性があるため「ある程度の金額」で成約します。売買価格と固定資産税評価額の乖離が大きいため、相続税対策となります。沖縄の軍用地とかと似ています。
- 逆に、無人島を保有するデメリットは何かありますでしょうか?
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やはり島の管理が大変です。いろいろなことが起こります。
事例として、「無人島に山羊が泳いできて、いつの間にか繁殖してしまい草を食べつくした」とか(笑)。予想できないことが起きるので、これを楽しめるかどうかは大事ですね。
あとは売却までに時間を要するので、通常の不動産とは異なることは理解が必要ですね。
無人島購入に興味ある方はお気軽にお問い合わせください
- 最後になりますが、無人島購入希望の方は貴社に連絡しても良いのでしょうか。
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はい、お気軽に問合せいただければと思います。
物件もすぐに出てくるものではないので、ゆっくり探すことをお勧めします。コロナ禍で無人島がよく売れて今ほとんど在庫もなくなっています。
ただし、購入希望者の条件としては、現金購入が可能な方ですね。本当に融資はつきません。
無人島売買を20年してますが、融資は本当に無理です(笑)。この点はもう何度もトライしましたが諦めました。
融資利用は難しいのでこの点だけはご理解ください。
――本日はありがとうございました!
おわりに
佐藤代表、インタビューにご協力いただきまして誠にありがとうございました!
無人島は、固定資産税評価額と時価の乖離が大きいため、相続税対策として非常に有効な手段の1つです。
もし無人島購入に興味をお持ちになりましたら是非アクアスタイルズまでお問合せしてみてください!
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節税や資金繰りにお悩みの方は是非お気軽にご相談ください。