エンジェル税制の節税方法を徹底解説!(要件〜手続き方法)

『エンジェル税制』というものを聞いたことがありますか?

これはエンジェル投資家を支援するために設けられた税制になります。今回、こちらの記事ではエンジェル税制を取り入れた税制と要件、手続きについて深く解説していきたいと思います。

目次

エンジェル投資家とは?

エンジェル投資家とは、起業家のスタートアップを助ける個人投資家を指します。もともとアメリカの概念で、欧米のエンターテイメント業界等で、事業を支援する個人支援家のことをエンジェルと呼んでいたことに由来します。

通常、創業後まもない起業家は、創業時は実績が無いため、銀行や金融機関、ベンチャーキャピタルの融資を受け難く資金調達の面で苦労を強いられます。エンジェル投資家は、家族・友人・知人からの出資・融資と、金融機関からの融資の中間に位置するような存在で、起業家のスタートアップに必要な資金を提供してくれます。

金融機関やベンチャーキャピタルは審査が厳しい分、融資の金額は大きく設定しますがエンジェル投資家であれば比較的小さな金額でも柔軟な融通をしてもらえることが多いです。

エンジェル税制とはどんな制度なの?

エンジェル税制について1から知りたい方は、詳しく解説している動画があるのではこちらを参考にしてみて下さい。

税制の話に戻ります。エンジェル税制とは個人であるエンジェル投資家が一定の要件を満たすベンチャー企業に投資をした場合に、確定申告時に、以下のいずれかの適用が受けられる制度です。

  1. 投資額を個人の総合所得から所得控除
  2. 投資額を他の株式譲渡所得から所得控除

一般的に総合所得の方が税率は高いため、1.『投資額を個人の総合所得から所得控除』に該当する方が、より節税のメリットが大きくなる可能性があります。

仮に所得水準が高く55%の税率が適用される方がいたとします。その方が5百万円をエンジェル税制の適用対象企業に投資した場合には、最大で5百万円から2千円を控除した499万8千円(ほぼ5百万円ですね。)を所得から控除することが可能になるのです。そうすると約275万円の納税額を削減することが可能となるのです。

エンジェル税制の適用を受ける前に注意したいこと

適用要件の大前提として、上記の1を受けるには設立3年未満、2を受けるには設立10年未満である必要があります。その他、設立経過年ごとに細かい要件があるのですが、認可などに数か月程度かかり、また若干手続きが煩雑なので場合によっては専門家の活用も必要になりますが、それを補うだけの効果は十分にあるかと思われます。

ちなみに確定申告前に申請が集中するため、正式な申請書類の提出が遅れますと、確定申告に間に合わず税優遇を受けられない可能性があるので気を付けてください。

エンジェル税制の適用の対象となるベンチャー企業について

それでは、どのような企業がエンジェル税制の対象になるのでしょうか。さきほども説明しましたが、設立から10年未満で以下の一定の要件を満たしている企業です。ちなみに先ほど説明した通り総合所得から控除する優遇税制を受ける場合には設立3年未満である必要があります。その他細かい要件に関しては以下の通り。

【企業要件】

  • 特定の株主グループからの投資合計が5/6を超えないこと
  • 大規模法人グループ所有に属さないこと
  • 未上場株式会社で、風俗営業等に該当しないこと
  • 中小企業であること
  • 経過年数に応じた要件(研究者の人数、営業キャッシュフロー、試験研究費の売上割合、売上高成長率等)を満たすこと

【個人投資家要件】

  • 金銭の払込みにより、対象企業の株式を取得していること
  • 対象企業が同族会社である場合、所有割合の大きいものから第3位までの株主の所有割合を順に加算し、その割合がはじめて50%超になる時における株主に属していないこと

エンジェル税制の適用のための手続き

次に手続きの話です。先ほど少し説明しましたがエンジェル税制の適用には一定の手続きが必要となります。まずは、対象会社がエンジェル税制の適用可能か確認をする必要があります。適用可能であることを確認したら、各都道府県の経済産業局に申請を行います。

ただし、先ほども少し触れましたが、申請書類の準備や手続きに1ヶ月、申請後、経済産業局からの確認書交付までに1ヶ月程度かかります。投資を受けた後に申請する場合には、投資家の確定申告に間に合うよう、投資を受けた年の12月までには申請手続きを始める必要がありますのでお気を付けください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。皆様の周りにももし投資の対象となる会社がある場合、もしくはスタートアップ企業で個人から資金調達を考えている皆様はぜひ検討されるとよいと思います。

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この記事を書いた人

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