不動産ジャパンとレインズの違いとは?メリット/デメリットを徹底比較!

不動産投資においては、情報収集が命です。

投資用物件を買うときだけではなく、借主を募集するためにもその不動産を効果的に知ってもらう必要がありますし、売るときも同じです。

そのため、主な不動産情報サイトについては知っておく必要があります。ここでは、公益財団法人不動産流通推進センターが運営するレインズと不動産ジャパンを紹介し、両者を徹底比較していきたいと思います!

まずは有名どころ、不動産ジャパンの特徴から見ていきましょう!

目次

不動産ジャパンとは?

不動産ジャパンは公益財団法人不動産流通推進センターが運営する総合不動産情報サイトで、いわゆるポータルサイトというイメージでよいと思います。

不動産ジャパンが提供しているサービスは大きく分けて以下のとおりです。

不動産ジャパンのサービス1. 物件情報検索サービス

売物件、賃借人を募集している状態の「貸したい物件」が全国規模で登録されています。

不動産ジャパンは全国の不動産流通業者のほぼすべてが加入しており、サイト自体が今まで業界団体が個別に運営していた物件情報サイトを統合して、全ての業界団体サイトを検索できるようにするために構築されたものです。

そのためこれらの物件情報は不動産ジャパンだけのものではなく、主要な不動産流通団体の運営している、

  1. ハトマークサイト
  2. FRKインターネット会員物件情報
  3. ゼネット
  4. 全住協ネット

これら4つのサイトの情報が集められています。

もちろん上記の4つのサイトも現役で稼働していますが、不動産ジャパンの利点は例えばこれらのサイトの内のどれかに不動産業者が物件を登録すると、自動的に不動産ジャパンにも物件情報が公開されるというシステムになっていることです。

そのため不動産情報サイトとしては、アクセスできる情報の範囲はかなり多い方と言えます。

不動産ジャパンのサービス2. 不動産会社検索サービス

エリアや路線等の条件を設定すれば不動産流通団体に加盟する全国の不動産会社や営業所を探すことができます。

この情報には不動産会社の所在地・連絡先等も掲載されており、物件を担当している不動産会社やそのエリアに強いと思われる会社に簡単に連絡を取ることができるようになっています。

不動産ジャパンのサービス3. ノウハウ・事例・相場情報や取引動向

不動産は取引経験がない人にはなかなか難しいものですが、不動産ジャパンでは買う・借りる・売る・貸す等の各場面ごとに参考情報や基礎知識が紹介されています。

住まいのトラブル相談室というコンテンツでは、不動産取引において巻き込まれる可能性のあるトラブル事例及びその回避方法の解説がされています。

そのほかにも、住環境情報や相場・取引動向等の情報が掲載されており、実際に現地を見に行く前の大まかなイメージづくりにも役立ちます。

不動産ジャパンの評価(メリット/良い点)

前段でもお話ししましたが、不動産ジャパンは不動産流通業界の情報をほぼ一元的に検索できるようにすることを目的として開設されたサイトです。

今までは、レインズと呼ばれる「不動産流通機構」が運営するサイトがありましたが、

  • レインズに物件情報を登録できるのは売主から売却の依頼を受けた不動産会社(元付業者と言います)だけであること
  • レインズは売却物件中心で「貸したい」物件の登録が少なかったこと
  • レインズはあくまで業者用サイトなので、不動産業者ではない一般の人には見ることができないこと

等のデメリットがありました。

不動産ジャパンはこの不動産業者専用サイトであったレインズの物件公開に等しい効果をもたらすもので、更に賃貸物件の情報も多く登録されているため、不動産情報のポータルサイトの中心としての役割を果たすことが期待されています。

ただ、レインズにも利点が一切ないわけではありません。下記からはレインズについて解説していきます。レインズは、不動産ジャパンやハトマークサイトとはやや性格が異なりますが、理解しておいていただきたいと思います。

レインズとは?特徴や評価(メリットなど)

レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の頭文字、REINSを取った略称です。

運営しているのは不動産ジャパンと同じ、公益財団法人不動産流通推進センターです。

まず、レインズについては不動産業者で登録していない業者はいないと言って良いでしょう。

不動産会社へ土地や建物の売買を依頼する場合、売主・買主はそれぞれ不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約とは不動産業者と結ぶ、「この不動産を売りたいので買主を探して欲しい」、「不動産を買いたいので良い物件を紹介して欲しい」という契約です。この媒介契約には、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の三種類があります。※詳しく知りたい方は下記で説明させていただいています。

不動産会社としては専属専任媒介契約・専任媒介契約で依頼された物件については、高い報酬をもらえる可能性が高くなりますから、一生懸命買主を探す傾向があります。

さらに専属専任媒介契約・専任媒介契約については売却依頼の契約を締結後、一定期間内(専属専任は5日以内、専任媒介は7日以内)にその物件の情報をレインズに登録しなければならない、というように不動産会社の義務が定められています。

レインズは一般の人が自由にみられるサイトではなく、不動産業者用の物件情報検索システムですが、このようにして物件情報が出回ることになります。

自宅やマンションを買おうとして、不動産業者回りをされた経験がある方なら経験があるかもしれませんが、『A社で見せてもらった物件情報がB社でも出てきた』というようなケースはこのようなレインズのシステムがあるために起こります。

※番外編「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」とは?

不動産に関わる方はこの3つの用語を知っておいてそんはないと思いますので、話の途中ではありますがここで説明させていただきます。本編にスキップしていただいても構いません。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、不動産会社にとっての依頼者である売主が、他の不動産会社に同じ案件を同時に依頼することができず、依頼した不動産会社が紹介する取引相手以外とは取引ができない契約を言います。

つまり一度この契約を不動産会社と結んだら、他の不動産会社に同じ物件の売却を依頼したり、売主が自分の力で良い取引相手を見つけてその人と取引したりといった場合は、不動産会社に違約金を払わないといけないという契約です。

専任媒介契約

専任媒介契約とは、売主が不動産会社1社のみに取引を任せること、他の不動産会社に同時に売却依頼をした場合は違約金が発生することは専属専任媒介契約と同じですが、売主が自分で買主を見つけてその人に売却する場合は、依頼した不動産会社に違約金ではなく、「不動産会社がそれまでに要した費用」のみを支払えば良いというものです。

専属専任媒介契約よりも拘束力がやや弱くなっています。

一般媒介契約

一般媒介契約は、売主は同時に複数の不動産会社に売却を依頼できますし、自分で買主を探してその人と取引することもできます。

不動産ジャパンとレインズの違いとは?両者を比較してみた。

不動産ジャパンにはない、レインズの大きなメリットとは?

不動産ジャパンにはない、レインズの大きなメリットは募集情報だけではなく、成約情報が掲載されているということです。

不動産ジャパンでも、ハトマークサイトでも、SUUMOでも、他の物件情報サイトに掲載されている物件価格はその全てが募集情報、つまり「売り出し価格、売りたい価格」です。

相場情報も基本的にはこの募集情報を基に作成されています。しかし、レインズでは実際に売買契約が締結された「成約情報」も掲載されます。

本来は、物件の相場というものは「いくらで売りたいか、売り出されているか」ではなく、「いくらで取引が成立したか」という情報を基に形成されるもので、その方がより正確な情報です。

例えば、土地が坪50万円で売り出されていたとしましょう。通常の物件情報サイトで公開される情報はここまでです。しかし、実際の価格は売主と買主の交渉で決まりますから、買主から価格交渉が入り、実際は坪40万円で成約、売買されていたというケースも当然あります。

全ての取引ではなくても、このような取引が多い場合、その周辺の土地の相場は売り出し価格の坪50万円ではなく、成約価格の坪40万円がより正確な相場情報ということになります。このような成約情報は、個人情報の保護という側面もありますから非常にデリケートなものです。

より正確に相場が分かる成約情報を公開しているのは、会員制情報システムであるレインズと、アットホームの会員サイトくらいしか今の日本にはありません。

レインズやアットホームに登録されるのは、すぐに買い手がつかない「出回り物件ではないか」という批判をする方もおりますが(良い物件であれば、前段の専任媒介契約のレインズへの登録期間が来る前に買主が付きます)、このような成約情報が得られる点がレインズの大きな特徴と言えます。

不動産ジャパンとレインズの違い〜デメリット編

但しレインズは、不動産ジャパンなどの比較サイトと比べると以下のような欠点を持っています。

不動産ジャパンとレインズの違い〜デメリット1.『一般の人が自由にみられるサイトではない』

不動産業者用のサイトですから、これは仕方のないことです。不動産流通推進センターに登録している不動産業者でなければレインズにアクセスすることはできません。

不動産ジャパンが、実質的にはレインズの一般公開の役割を担っているということも言われますが、ハトマークサイト等とは違って、レインズに登録したから自動的に不動産ジャパンにも物件情報が登録されるというような状況にはまだなっていません。

不動産ジャパンとレインズの違い〜デメリット2. 『賃貸情報が弱い』

レインズに登録義務があるのは、「売買」に関する専属専任媒介契約・専任媒介契約の場合であって、「賃貸」では登録義務がありません。

そのため、レインズの情報は他の不動産情報サイトと比較すると、賃貸情報は弱いという印象があります。

まとめ

  • 不動産ジャパンが開設された目的は、業界団体が個別に運営していた物件情報サイトの統合
  • 売物件、貸物件等の物件情報だけではなく、不動産取引の知識等のノウハウ面や相場動向も収録
  • 不動産情報のポータルサイトとしての役割を果たすことが期待されている。
  • レインズは全ての不動産業者が登録している業者用の物件情報システム
  • 他の不動産物件情報サイトとの違いは、「成約情報」が掲載されていること
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